クアルコムは12月2日にスナップドラゴン 888を詳細発表しました。スナップドラゴン 865の後継であるスナップドラゴン 888は、予想どおりCPU、GPU、カメラ、AI、通信などに大幅な改善が施されています。本当に大きな改善がみられるので今回は進化点をまとめていきたいと思います。
目次
CPU : Kryo 680

スナップドラゴン 888は、Kryo680 CPUを搭載し、スナップドラゴン 865のKryo585よりもパフォーマンスが25%向上したとのこと。電力効率も25%向上しています。
スナップドラゴン 888は、2.84GHz Kryo 680 Prime(1コア)、2.4GHz Kryo 680 Performance(3コア)、1.8GHz Kryo 680 Efficiency(4コア)の8コア構成にまとめられています。
メモリ容量に関しては、最大3200MHzのLPDDR5メモリと最大2133MHzのLPDDR4メモリをサポートし、最大16GBのRAMを搭載できます。ストレージに関してはUFS3.1ストレージをサポートします。
GPU : Adreno 660

スナップドラゴン 888のGPUには、Adreno 660が使用され、前モデルと比較して電力効率を20%向上させながら、35%レンダリングパフォーマンスが期待できるとのことです。
Adreno 660には、10ビットHDRとサブピクセルレンダリングをサポート、画質の向上、有機ELの均一性(ムラ)を保つ機能が含まれています。
ゲームクイックタッチ

ゲームクイックタッチは、ゲーム時のタッチレスポンスを最大20%削減できます。これは最大120fpsで10%、90Hzで15%、60 fpsで20%と60Hzで最も効果的であるとされており、すべてのゲームで使用できるそうです。
通信(X605Gモデム)
スナップドラゴン 888にはX605Gモデムを搭載しています。これは前モデル865とは異なり、モデムは外部チップではなく888に組み込まれています。
5G
このモデムは、5Gのサブ6およびミリ波をサポートします。最大7.5Gbpsのダウンロード速度と最大3Gbpsのアップロード速度を提供するとしています。
Wi-Fi
Fast Connect 6900システムはWi-Fi 6G(6 GHz帯域のax)を備えており、業界最速の最大3.6Gbpsの速度に対応しているとQualcommは述べています。
Bluetooth
デュアルアンテナを備えたBluetooth5.2もサポートされており、さらに高音質で低遅延のワイヤレスオーディオ技術aptXがサポートされます。
カメラ(トリプルISP : Spectra 580 ISP)

スナップドラゴン 888はクアルコム初のトリプルISP、Spectra 580が搭載です。ちなみに以前の800番台シリーズではデュアルISPが搭載されていました。
トリプルISPを同時使用することにより、3つの異なるカメラからのビデオを4K HDR画質で同時に撮影することができます。また、28MPで同時に3枚の写真を撮ることも可能です。
Spectra580はSpectra480(スナップドラゴン 865)より35%高速です。つまり、連射機能もアップされており、1秒間に12MPで120枚の写真を撮影することができます。
さらにSpectra 580のトリプルISPは、短時間露光、中露光、長時間露光を同時に処理できるため、ハイダイナミックレンジ(略称 : HDR)にも使用されます。スナドラ888は、前モデルのHDRビデオ機能に加えて、10ビットHDR写真をHEIF画像形式で記録できます。
AI
Hexagon 780 DSP
スナップドラゴン 888に搭載される第6世代のAIエンジンは、最大26 TOPS(1秒間に26兆回の操作)のパフォーマンスが見込めます。Apple A14チップは11 TOPS、スナップドラゴン865が15 TOPSです。
クアルコムのHexagon 780 DSPは電力効率も大幅に向上し、ワットあたりのパフォーマンスが最大3倍に向上しました。
第2世代クアルコムセンシングハブ
スナップドラゴン 865で搭載されたクアルコムセンシングハブも今回で第2世代に進化。1ミリアンペア未満で常時実行され、ウェイクアップが高速化、アクティビティの検出精度の向上、スマホの消費する電力がさらに抑えられます。